「こんなこと聞いたら、仕事ができないって思われるかな？」
「忙しいのに、時間を取らせて悪いかな？」
そんな風に頭の中をぐるぐる巡って、結局何も聞けないまま、一人でモヤモヤを抱え込んでしまう。
この記事が目に飛び込んできて気になったあなたも、
きっと同じような経験があるのではないでしょうか・・・
という事で、今回は、「上司への質問」に関する記事を書いてみたいと思います。
単なるテクニック論ではなく、私たちが日頃抱えている葛藤や感情に寄り添いながら、
少しでも気持ちが楽になるような考え方を簡単にまとめてみました。
「質問しない＝優秀」という罠
新人の頃、「自分で考えて、まずやってみろ」と教えられませんでしたか？
もちろん、この考え方はとても大切です。
ですが、これが「質問しない方が優秀」という勘違いを生んでしまうことがあります。
自力で解決しようと努力することは凄いことです。
しかし、そのせいで間違った方向に進んでしまったり、
無駄な時間をかけてしまったりすることも少なくありません・・・
会社は学校ではありません。
「正解」を導き出すための時間には、コストがかかっていることを忘れてはいけません。
上司はあなたの答え合わせをしてくれる先生ではなく、
事業目標を達成するためにあなたをマネジメントする「チームの監督」です。
監督としては、選手が間違った方向へ走り続け、時間や労力を無駄にするくらいなら、
途中で「おい、そっちじゃないぞ」と声を掛けたいはずです。
だからこそ、迷った時に「今、どちらに進むべきか」と質問することは、
チーム全体の生産性を上げるための重要なアクションなのです。
質問は「自分のため」だけじゃない
上司への質問は、単に自分の疑問を解消するためだけのものではありません。
実は、質問すること自体が、上司とのコミュニケーションを円滑にし、
信頼関係を築くための強力なツールになり得ます。
想像してみてください。
あなたが上司の立場だったとして、部下から何も質問されず、黙々と仕事を進められるのと、
「〇〇の件ですが、A案とB案、どちらの方向性で進めるのが良いでしょうか？」
「このタスク、納期が厳しいのですが、優先順位はどこに置けばいいですか？」
と、こまめに確認の質問をされるのと、どちらが安心できますか？
後者の方が、
「この部下は、きちんと考えて仕事を進めているな」
「何か困ったことがあれば、ちゃんと相談してくれるだろう」
と感じて安心できるのではないでしょうか。
上司は、あなたに任せた仕事がどう進んでいるか、常に気にしています。
質問は、その進捗状況を知らせるための「報告」の側面も持っているのです。
質問上手になるための3つのコツ
では、具体的にどうすれば「質問上手」になれるのでしょうか。
ここでは、すぐに実践できる3つのコツをお伝えします。
1. 「何に困っているか」を具体的にする・・・
「すみません、このタスク、どうすればいいですか？」
こんな漠然とした質問をしていませんか？
これでは上司も「え？どこから説明すればいいんだ？」と困ってしまいます。
そうではなく、まずは「自分でどこまで考えたか」を示しましょう。
例えば、
NGの例
「企画書が書けないんですが、どうしたらいいですか？」
OKの例
「企画書を作成しているのですが、ターゲット層の設定が難航しています。A案は主婦層向け、B案は
ビジネスパーソン向けで考えているのですが、部長としてはどちらの方向性が市場に響くと思われますか？」
このように、「自分で考えた選択肢」や「具体的に困っている箇所」を提示することで、
上司も的確なアドバイスをしやすくなります。
2. 相手の時間を尊重する「枕詞」を添える
上司は常に忙しいもの。
いきなり本題に入るのではなく、相手への配慮を示す「枕詞」を添えるだけで、印象はぐっと良くなります。
例えば、
NGの例
「部長、お時間ありますか？」
OKの例
「部長、今、少しだけお時間よろしいでしょうか？ (または、お忙しいところ恐縮ですが･･･)、〇〇の件で3分ほどご相談させていただけないでしょうか？」
このように、具体的な所要時間を伝えることで、相手は「3分なら大丈夫だな」と判断しやすくなります。
「ちょっといいですか？」と尋ねるよりも、相手への気遣いが伝わるはずです。
3. 答え合わせではなく、「相談」のスタンスで
「これで合っていますか？」という質問は、
相手に「答え合わせ」を求めているように聞こえてしまうことがあります。
上司の時間を借りて、自分の考えたことの正解をチェックしてもらっている、という感覚です。
そうではなく、質問は「相談」のスタンスで臨みましょう。
「AとB、2つの進め方を考えてみたのですが、部長のご経験からすると、
どちらの方がよりスムーズに進められそうでしょうか？」
このように、「あなたの知恵を貸してください」というスタンスで質問することで、
上司は「自分の経験が役に立つなら」と快く応じてくれるでしょう。
まとめ
「上司への質問」は、信頼と成長の第一歩・・・
今日は勇気を出して、一つだけ質問してみませんか？
上司への質問は、決して「仕事ができない証拠」ではありません。
むしろ、「チームの目標達成のために、より良い方法を模索している証拠」であり、
「自ら主体的に仕事を進めようとしている証拠」です。
そして、質問を通じて上司とのコミュニケーションを密にすることは、
あなたが職場でより気持ち良く仕事を進めるための、大切な潤滑油にもなります。
「質問してもいいかな」と迷った時は、こう考えてみてください。
「この質問は、自分とチームの未来を良くするための、最初の一歩だ」と。
この記事が、あなたの職場でのモヤモヤを少しでも軽くできればと思っています。
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