「人生が上手くいっている時こそ謙虚に」という言葉に、あなたはどんな感情を抱きますか？
順風満帆な人生を送っていると、つい自信過剰になったり、
周囲への感謝を忘れてしまったりすることがあります。
しかし、真に成功を掴み、それを継続している人は、例外なく「謙虚さ」を大切にしています。
この記事では、人生が上手くいっている時ほど謙虚でいることがなぜ重要なのか、
そして成功者が実践している具体的な3つの習慣について解説します。
謙虚さとは何か？
「謙虚さ」と聞くと、自分を過小評価したり、遠慮したりすることだと誤解されがちです。
しかし、本来の謙虚さとは、自分の能力や成果を正しく認識し、
他者への敬意や感謝を忘れない姿勢を指します。
これは、自信がないこととは全く違います。
むしろ、自分の強みを理解した上で、足りない部分や改善点を素直に認められる強さだと言えるでしょう。
成功は一瞬、謙虚は一生・・・
人生には、まるでジェットコースターのようにアップダウンがあります。
どん底を味わうこともあれば、想像もしなかったような大きな成功が、突然目の前に現れることも・・・
特に後者の、成功の波に乗っている時。
私たちは気づかないうちに、地に足が着かなくなってしまいがちです。
大きなプロジェクトを成功させたり、昇進したり、周りからたくさんの賞賛を浴びる。
SNSには「いいね！」があふれて、自分の価値がどんどん高まっていくような感覚。
そんな時、私たちの心は「自分は特別だ」と、いつの間にか錯覚し始めてしまいます。
しかし、その「特別な自分」に酔いしれることほど、危ういことはありません。
なぜなら、成功はまばゆい一瞬の出来事ですが、「謙虚さ」こそが、人生を支える一生ものの土台なのです。
謙虚さを失うということ
謙虚さを忘れた人が、どうなってしまうのか。
私はこれまで、悲しいくらいに多くの例を見てきました。
ある知人は、起業した会社が軌道に乗り、メディアにも頻繁に取り上げられるようになりました。
元々優秀な人でしたが、成功を重ねるうちに、周囲の意見に全く耳を傾けなくなっていったのです。
部下の提案を「そんなものはダメだ」と一蹴し、
取引先に対しても「うちがやってあげてるんだ」というような、
高圧的な態度を取るようになりました・・・
結果、彼の周りから人は一人、また一人と離れていきました。
会社の成長も鈍化し、最終的には彼の独断で進めたプロジェクトが失敗。
会社は深刻な打撃を受け、彼はその原因が自分の「特別意識」にあったことすら気づけませんでした。
また別の友人は、スポーツで大きな大会に優勝し、一躍時の人となりました。
それまでは誰よりも練習熱心で、周りへの感謝を忘れない青年だったのに、脚光を浴びるうちに態度が豹変。
「俺がチームを勝たせたんだ」と豪語し、練習にも身が入らなくなりました。
当然、彼のパフォーマンスは急降下し、次のシーズンでは全く活躍できず、
人々の記憶からもすぐに消えてしまいました。
これらの例が教えてくれるのは、謙虚さを失うことが、成長の終わりであり、
大切な人との繋がりを断ち切る行為であり、何よりも自分自身を見失うことに繋がるということです。
人生が上手くいっている時こそ謙虚でいるべき3つの理由
なぜ、人生が上手くいっている時にこそ謙虚さが求められるのでしょうか。
1. 成長の機会を逃さないため
成功すると、人は現状に満足しやすくなります。
すると、「自分はもう十分だ」「これ以上学ぶことはない」といった慢心が生じ、
新たな知識やスキルの習得を怠りがちです。
謙虚な人は、成功してもなお「自分にはまだ学ぶべきことがある」と認識しています。
この姿勢が、常に学び続け、さらなる高みを目指す原動力となるのです。
2. 信頼関係を築き、維持するため
人間関係は、人生の成功に欠かせない要素です。
成功した人が傲慢な態度をとると、周囲の人々は離れていき、孤立してしまいます。
しかし、謙虚な人は、どんな立場の人にも敬意を持って接するため、多くの人から信頼されます。
この信頼こそが、困難な状況に直面したときに、あなたを支えてくれる大きな力になるのです。
3. 失敗のリスクを軽減するため
成功の絶頂にいる時ほど、視野が狭くなり、リスクを見落としやすくなります。
謙虚な人は、常に周囲の意見に耳を傾け、多角的な視点から物事を判断できます。
これにより、無謀な挑戦や判断ミスを防ぎ、失敗のリスクを軽減することができるのです。
成功者が実践する3つの謙虚な習慣
では、具体的にどのように謙虚さを身につければ良いのでしょうか。
成功を継続する人々が実践している3つの習慣をご紹介します。
1. 「ありがとう」を具体的に伝える
「ありがとう」という言葉は、感謝の気持ちを伝える上で非常に重要です。
しかし、さらに効果的なのは、何を、なぜ感謝しているのかを具体的に伝えることです。
・NG 例
「手伝ってくれてありがとう。」
・OK 例
「今日のプレゼン資料、最後のページまで丁寧にチェックしてくれてありがとう。おかげで、自信を持って発表できたよ。」
このように具体的に感謝を伝えることで、相手は「自分の貢献が認められた」と感じ、あなたへの信頼をさらに深めてくれます。
2. 自分の失敗や弱みを素直に認める
誰もが完璧ではありません。成功者でも、失敗したり、弱点を持っていたりします。
謙虚な人は、自分の失敗を隠したり、他人のせいにしたりしません。
むしろ、「あの時は私の判断が甘かった」「この分野はまだ勉強不足で」と素直に認め、
それを改善しようと努力します。
この姿勢は、周囲に「この人なら安心してついていける」という安心感を与えます。
3. 成功の要因を他者にも求める
プロジェクトが成功したとき、その要因を「自分の力だけ」だと考えがちです。
しかし、謙虚な人は、成功の要因を「チームメンバーの協力」「顧客のフィードバック」「運」など、
自分以外の要素にも求めます。
成功を自分だけの功績にせず、周囲の人々と分かち合うことで、チーム全体の士気が高まり、
次の成功へと繋がります。
私が謙虚さを思い出す「３つの心の習慣」
私自身も、小さな成功を掴むたびに、うっかりと傲慢になりそうになることがあります。
そんな時、私は意識的に自分を「普通」に戻すための、いくつかの習慣を大切にしています。
電車に乗る
忙しい日々が続くと、ついタクシーや配車サービスに頼ってしまいがちです。
でも、週に一度は必ず電車に乗るようにしています。通勤ラッシュに揺られ、様々な人々と肩を並べる。
そこには、年齢も職業もバラバラな人々がいて、それぞれがそれぞれの人生を生きている。
誰も私を「特別な存在」としては扱わない、この当たり前の空間が、
私を「いち生活者」としてフラットな状態に戻してくれるのです。
スーパーマーケットで買い物をする
自分の関わった商品が世の中に出回り、たくさんの人に喜んでもらえていると知った時、
私は「自分は世の中を動かしている」と、とんでもない勘違いをしそうになります。
そんな時は、近所のスーパーマーケットに行き、自分の手で夕食の材料を買います。
野菜を選び、特売品に喜んだり、レジで会計をしたり。
この一連の行為は、自分が決して特別な存在ではなく、
ごく普通の消費者の一人であることを思い出させてくれます。
昔からの友人と会う
成功すると、周りには新しい人々が集まってきます。
それはとても嬉しいことですが、
そればかりだと、自分は常に「成功者」として見られている感覚に陥ります。
だからこそ、
私はまだ何もなかった頃から支えてくれた友人たちと、定期的に会う時間を大切にしています。
彼らは、私がどんなに成功しようと、「昔のままのあいつ」として接してくれます。
仕事の話はそこそこに、くだらない話で笑い合う時間を持つことで、私の心は不思議とリセットされます。
これらの習慣は、決して特別なことではありません。
ただ、私たちの日常生活の中に、「自分を客観視する時間」を意識的に作っているだけなのです。
人生の絶頂期にいる時にこそ・・・
人生の絶頂期にいる時にこそ、
私たちは謙虚さという「心のブレーキ」を、しっかりと踏む勇気を持たなければなりません。
成功は、私たちに多くの喜びやチャンスをもたらしてくれますが、
同時に傲慢さという、とげのような毒も持っています。
「謙虚さ」とは、決して弱さや自信のなさとは違います。
それは、「自分はまだ完璧じゃない」という事実を素直に受け止め、
常に学び続けるための、静かで力強い強さなのです。
成功の波に乗り、大きな成果を上げた時、その成功が永く続くかどうかは、
あなたの「謙虚さ」にかかっているのです。
まとめ
人生が上手くいっている時こそ謙虚でいることは、単なる美徳ではありません。
それは、成功を継続させ、さらに大きな幸せを掴むための、最も重要な戦略です。
今日からあなたも、この3つの習慣を意識して実践してみませんか？
小さな一歩が、あなたの人生をより豊かにしてくれるはずです・・・
