AppleのM4 Maxチップは、これまでにないほどの性能と効率性を兼ね備えており、AI処理の高速化、グラフィック性能の向上、エネルギー効率の改善など、すべての面で進化を遂げています。
このチップが搭載されたMacシリーズは、クリエイティブな作業を行うユーザーにとって強力なツールとなり、これからのデジタルライフを一層快適にしてくれるでしょう。
今回の記事は、「AppleのM4 Maxチップ」の仕様や特徴、ベンチマークなどについて書いていきたいと思います。
仕様は?「M4 Maxチップ」&「M3 Maxチップ」&「M2 Maxチップ」比較
出典 : Appleホームページ
旧型の「Apple M3 Maxチップ・M2 Maxチップ」と進化した「Apple M4 Maxチップ」の仕様の比較をしてみました
チップ(SoC) | M4 Max | M3 Max | M2 Max |
---|---|---|---|
プロセスルール | 3nm(第2世代) | 3nm | 5nm(第2世代) |
CPU(コア数) |
14コアCPU (高性能コア:10コア & 高効率コア:4コア) or 16コアCPU(高性能コア:12コア & 高効率コア:4コア)
|
14コアCPU (高性能コア:10コア & 高効率コア:4コア) or 16コアCPU(高性能コア:12コア & 高効率コア:4コア) |
12コアCPU(高性能コア:8コア & 高効率コア:4コア) |
CPU : 最大クロック周波数 |
高性能コア : 4.50GHz 高効率コア : 2.85GHz
|
高性能コア : 4.06GHz 高効率コア : 2.75GHz |
高性能コア : 3.5GHz 高効率コア : 2.42GHz |
GPU(コア数) / 最大メモリ容量 |
32コア / 最大36GB または 40コア / 最大128GB
|
30コア / 最大96GB または 40コア / 最大128GB |
30コア / 最大64GB または 38コア / 最大96GB |
GPU : クロック周波数 | 0.39GHz(最大1.68GHz) | 0.39GHz(最大1.4GHz) | 0.45GHz(最大1.4GHz) |
トランジスタ数 | 約?億個 | 約920億個 | 約670億個 |
Neural Engine(演算能力/秒) | 16コア(38兆回/秒) | 16コア(18兆回/秒) | 16コア(15.8兆回/秒) |
メディアエンジン | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
メモリ | 36GB 〜 128GB | 36GB 〜 128GB | 32GB 〜 96GB |
メモリ種類 | LPDDR5X-8533 | LPDDR5-6400 | LPDDR5-6400 |
Apple M4 Maxの特徴
M4 Maxはただの「高性能チップ」ではなく、使う人の創造力を引き出す力を持ったテクノロジーです。例えば、ビデオ編集や3Dレンダリング、データ解析などの高度なタスクをこなすために作られており、目に見えない部分でも多くの工夫が施されています。ここではその主な特徴をお伝えします。
驚くべきCPU性能
「Apple M4 Max」には、14コアCPU(高性能コア:10コア & 高効率コア:4コア)のモデルと16コアCPU(高性能コア:12コア & 高効率コア:4コア)のモデルが用意されています。高性能コアと高効率コアが、それぞれの役割を果たしながらタスクを処理してくれます。
これにより、複雑な作業でも高速かつ効率的に動作します。例えば、大規模なデータ解析や複数のアプリを同時に動かすシーンでも、スムーズに作業が進みます。
シンプルに言うと、「重い作業もサクサクこなせる」という感じです。
次世代GPUでグラフィックスがさらに美しく
「Apple M4 Max」のGPU(グラフィック処理能力)は、32コアまたは40コアから選べ、前世代のチップに比べて、良い感じに性能が向上しています。
これにより、3Dレンダリングやビデオ編集がとてもスムーズに行えるようになりました。
映画制作やゲーム開発にもぴったりで、リアルタイムで複雑なグラフィックを処理できるので、作業効率も大幅にアップします。
スピードと効率を兼ね備えたメモリ性能
「Apple M4 Max」はLPDDR5Xメモリを搭載しており、最大546GB/sという圧倒的なデータ転送速度を誇ります。
これによって、膨大なデータを扱う作業でも高速に処理が可能です。
例えば、何十GBにも及ぶビデオファイルを編集する場合でも、待ち時間が短く済みます。
そのおかげで、作業のスピードが格段に向上します。
AI処理がより高速に
「Apple M4 Max」には、高いパフォーマンス性能を誇る「Neural Engine」が搭載されており、毎秒38兆回の演算処理をこなせます。
これにより、AIを使った画像認識や音声解析など、AIを活用した作業がより高速に行えます。
例えば、機械学習を使ったデータ解析や、AIによる自動化が必要な業務でも、M4 Maxがあれば、あっという間に結果を出すことができます。
長時間使っても安心な電力効率
「Apple M4 Max」は高い処理能力を持ちながら、電力効率にも優れています。
Appleが得意とするSoC(システム・オン・チップ)設計により、必要な電力だけを使い、無駄を省いています。
そのため、長時間の作業でも安定して使えるだけでなく、バッテリーの持ちも良好。
ノートPCでも、しっかりと仕事をこなせるのが大きなポイントです。
M4 Maxが活躍するシーン
「Apple M4 Max」はその強力な性能を、さまざまなプロフェッショナルのシーンで発揮します。特に次のような作業で、その能力を最大限に活かすことができます。
映像制作や3Dレンダリング
「Apple M4 Max」は、映画やアニメ、ゲームなどの映像制作において非常に頼りにされる存在です。
3Dレンダリングや複雑なグラフィックス処理がリアルタイムでできるため、制作過程がとてもスムーズに進みます。
例えば、何十時間もかかる作業を、わずか数分で終わらせることができるかもしれません。
科学的シミュレーションやデータ解析
「Apple M4 Max」は、科学的なシミュレーションや大規模なデータ解析にも力を発揮します。
例えば、気象学や医療研究の分野では、膨大なデータを高速で処理する必要がありますが、M4 Maxはこれを余裕でこなします。
高精度な計算が求められる場面でも、安心して使える性能を提供します。
企業での大規模なデータ処理
ビジネス分野では、「Apple M4 Max」は大規模なデータ分析やレポート作成に最適です。
複雑なビジネスロジックを処理しながら、リアルタイムでの意思決定をサポートする能力があります。
例えば、リアルタイムでの売上分析や在庫管理など、大量のデータを素早く処理し、価値のあるインサイトをすぐに得ることができます。
複数のビデオストリームの同時処理
「Apple M4 Max」は、ビデオ編集やストリーミングにも最適です。
複数の高解像度ビデオを同時に処理することができ、リアルタイムで編集やエフェクト追加が可能です。
これにより、映像制作の現場で時間を短縮し、より創造的な作業に集中できます。
「Apple M4 Max」と「Apple M3 Max」の比較
VS 出典 : Appleホームページ
M4 MaxとM3 Maxの違いを簡単にまとめると、以下のポイントが挙げられます。
《パフォーマンスの向上》
M4 Maxは、単一コア性能が約20%向上しており(Geekbench6スコア:3872 vs 3116)、複雑な作業もよりスムーズにこなせるようになっています。
《GPUの強化》
M4 MaxはM3 Maxと比較して、GPU性能、メモリ帯域幅、効率性のすべてにおいて大幅な向上を実現しており、プロフェッショナル向けの高性能モバイルコンピューティングにおいて新たな基準を設定しています。
《メモリ帯域幅の改善》
M4 Maxのメモリ帯域幅は546GB/sに達しており(M3 Maxは400GB/s)、データのやり取りがより速く、効率的に行えるようになっています。
《AI処理の強化》
M4 Maxには、改良されたNeural Engineが搭載され、AIや機械学習の処理がさらに高速に。大規模なAIモデルもデバイス上で実行できるようになっています。
ベンチマーク「Apple M4 Maxチップ」CPU・GPUスコア
#この記事の全てのベンチマークスコアは、パソコン等によって数値が違ってきます。測定には RAM も含まれるので、メモリの種類によっては、結果が大きく変わります。なので、この記事の全てのベンチマークスコアは、あくまでも目安として参考にしてみてください・・・
Geekbench 6
🟡 CPUスコア 前期モデルとのベンチマーク比較( Geekbench 6 )
種類 | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
M4 Maxチップ搭載 MacBook Pro(16コアCPU) | 3872 | 26347 |
M4 Maxチップ搭載 MacBook Pro(14コアCPU) | 3869 | 22683 |
M3 Maxチップ搭載 MacBook Pro(16コアCPU) | 3116 | 21038 |
M3 Maxチップ搭載 MacBook Pro(14コアCPU) | 3109 | 19251 |
M2 Maxチップ搭載 MacBook Pro(12コアCPU) | 2683 | 14219 |
M1Maxチップ搭載 MacBook Pro(10コアCPU) | 2392 | 12407 |
🟡 他社CPUとのベンチマーク比較( Geekbench 6 )
CPU | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
AMD Ryzen Threadripper 7980X | 2819 | 26503 |
Apple M4 Max(16コアCPU) | 3872 | 26347 |
AMD Ryzen Threadripper 7970X | 2930 | 25384 |
Intel Core i9-14900KS | 3398 | 24157 |
AMD EPYC 9654P | 2064 | 23019 |
Apple M4 Max(14コアCPU) | 3869 | 22683 |
Intel Core i9-13900KS | 3041 | 21529 |
Intel Xeon w9-3475X | 2373 | 21173 |
Apple M3 Max(16コアCPU) | 3116 | 21038 |
AMD EPYC 9554 | 1927 | 20870 |
🟢 GPUスコア ( Geekbench 6 )
種類 | メタルスコア(GPU) |
---|---|
M4 Maxチップ搭載 MacBook Pro(40コアGPU) | 192495 |
M4 Maxチップ搭載 MacBook Pro(32コアGPU) | 157243 |
M3 Maxチップ搭載 MacBook Pro(40コアGPU) | 153960 |
M3 Maxチップ搭載 MacBook Pro(30コアGPU) | 123724 |
M2 Maxチップ搭載 MacBook Pro(38コアGPU) | 138116 |
M2 Maxチップ搭載 MacBook Pro(30コアGPU) | 106472 |
M1 Maxチップ搭載 MacBook Pro(32コアGPU) | 103294 |
M1 Maxチップ搭載 MacBook Pro(24コアGPU) | 79217 |
🟠 AIスコア 《 Geekbench AI (CoreML ニューラルエンジン)》
種類(SoC) | Single Precision | Half Precision | Quantized |
---|---|---|---|
M4 Maxチップ(14コアCPU/20コアGPU) | 5772 | 37548 | 50815 |
M4 Maxチップ(12コアCPU/16コアGPU) | 5769 | 37551 | 50811 |
M3 Maxチップ(12コアCPU/18コアGPU) | 4162 | 32827 | 37028 |
M3 Maxチップ(11コアCPU/14コアGPU) | 4167 | 32821 | 37034 |
M2 Maxチップ(12コアCPU/19コアGPU) | 3494 | 28226 | 31531 |
M2 Maxチップ(10コアCPU/16コアGPU) | 3490 | 28213 | 31529 |
M1 Maxチップ(8コアCPU/16コアGPU) | 3245 | 16468 | 16180 |
M1 Maxチップ(8コアCPU/14コアGPU) | 3234 | 16463 | 16171 |
まとめ:M4 Maxは新しい可能性を開くチップ
AppleのM4 Maxチップは、これまでのパフォーマンスの常識を覆す存在です。デザイン、パフォーマンス、電力効率、すべての面でバランスよく優れた能力を持ち、どんな作業にも対応できる多才なチップです。
これからの仕事やクリエイティブなプロジェクトをサポートするために、M4 Maxはまさに最適な選択肢です。さらに進化した技術を手にすることで、あなたのアイデアや作業がもっと自由に、もっとスピーディに実現できるようになるでしょう。
《14.2型》
↗️ Apple(アップル) ノートPC 〈2024 MacBook Pro〉 シルバー 《MX2G3J/A》 ●仕様【14.2型(3024×1964) / M4 Maxチップ(14コアCPU・32コアGPU) / メモリ:36GB / SSD:1TB / macOS / 約1.62kg / 最長約18時間 】
《16.2型》
↗️ Apple(アップル) ノートPC 〈2024 MacBook Pro〉 スペースブラック《MX303J/A》●仕様【16.2型(3456×2234) / M4 Maxチップ(14コアCPU・32コアGPU) / メモリ:36GB / SSD:1TB / macOS / 約2.15kg / 最長約21時間 】
↗️ Apple(アップル) ノートPC 〈2024 MacBook Pro〉 シルバー 《MX2W3J/A》 ●仕様【16.2型(3456×2234) / M4 Maxチップ(16コアCPU・40コアGPU) / メモリ:48GB / SSD:1TB / macOS / 約2.15kg / 最長約21時間 】