今回は、AMD Ryzen AI 7 350 のベンチマーク(PassMark・Cinebench・Geekbench) CPU性能や特徴などを記事にしていきたいと思います。そして、このCPUが搭載されているパソコンを紹介したいと思います。
AMD Ryzen AI 7 350 は、ハイブリッドアーキテクチャ、強力なグラフィックス性能、圧倒的なAI処理能力、そして高い電力効率を兼ね備えた次世代のCPU(APU)です。このプロセッサーは、次世代のAI PCに求められる要素を提供し、今後のモバイルコンピューティング市場を牽引することが予想されます。内蔵GPU「Radeon 860M」を搭載し、軽めから中程度のゲームやクリエイティブ作業に対応できる性能を持っており、エントリーレベルのノートPCに最適なチップと言えるでしょう。
AMD Ryzen AI 7 350 の仕様
CPU | AMD Ryzen AI 7 350 | |
---|---|---|
シリーズ / 開発コード | Ryzen AI 300 / Krackan Point | |
アーキテクチャ | Zen 5 ×4コア / Zen 5c ×4コア | |
コア数 / スレッド数 | 8コア / 16スレッド | |
最大ブースト・クロック | 最大 5.0GHz | |
Zen 5c 最大ブースト・クロック | 最大 3.5GHz | |
基本クロック | 2.0GHz | |
基本クロック | Zen 5 | 2.0GHz |
Zen 5c | 2.0GHz | |
L2キャッシュ合計 / L3キャッシュ合計 | 8MB / 16MB | |
対応メモリ | DDR5-5600・LPDDR5x-8000 | |
最大温度 | 100℃ | |
TDP(デフォルト) | 28W | |
TDP(cTDP) | 15W~54W | |
製造プロセス
|
TSMC 4nm | |
AI |
AMD Ryzen AI | ◯ |
Overall TOPS
|
最大 66 TOPS | |
NPU TOPS
|
最大 50 TOPS | |
内蔵GPU |
名前 | AMD Radeon 860M(RDNA 3.5) |
GPUコア
|
8コア | |
グラフィックス周波数
|
3.00GHz |
AMD Ryzen AI 7 350 の特徴
AMDの「Ryzen AI 7 350」は、AIを活用した新しいPC体験を実現する、エントリーレベルのプロセッサーです。このプロセッサーは、最新の「Zen 5」アーキテクチャを採用しており、パフォーマンスと電力効率をうまく両立しています。4つの高性能なZen 5コアと4つの効率重視のZen 5cコアを組み合わせた8コア/16スレッドの構成で、オフィス作業は、ほとんどスムーズにこなしてくれます。最大5.0GHzのブーストクロックにより、マルチタスクやそこまで重くないアプリケーションなどは、快適に動作します。
特に注目すべきなのは、このプロセッサーに搭載されているNPU(Neural Processing Unit)です。最大50 TOPSのAI演算能力を持ち、画像認識や自然言語処理、機械学習といったAI関連のタスクを非常に効率よく処理できます。これにより、AIを活用するアプリケーションでも、その力を最大限に引き出せます。さらに、CPU、内蔵GPU、NPUの合計で最大66 TOPSの処理性能を実現しており、AIの活用がいい感じにできる設計となっています。そして、Copilot+ PCに対応しているため、最新のAI機能を駆使して、生産性を高める手助けをしてくれますよ・・・。
Ryzen AI 7 350には、内蔵GPUとしてRadeon 860Mが搭載されています。
PUに統合されたRadeon 860Mは、AMDのRDNA 3.5アーキテクチャを採用し、ゲームや日常的なグラフィックス処理をさらに進化させました。8つの計算ユニットを搭載し、最大3GHzで動作するこのGPUは、軽めのゲームやグラフィック作業にぴったりです。ただし、重い3Dゲームや高解像度設定では少し力不足かもしれません。データ量の重たい写真編集や動画編集、そしてゲームなどは、性能の高いGPU(dGPU)、つまり性能の高いグラフィックボードがないとキツイです。
#(搭載されるグラフィックボードは種類によって性能が違い、できる内容も変わっていきます)
また、TDP(熱設計電力)はデフォルトで28Wとなっており、省エネ設計でもありますが、使用状況に応じて15Wから54Wまで調整可能です。これにより、バッテリー容量にもよりますが、ノートPCでも長時間使用でき、高負荷時には性能を引き出すことができます。環境に合わせた柔軟な設定ができるので、さまざまなシーンで活躍してくれます。
メモリも最新のDDR5-5600やLPDDR5X-8000に対応しており、アプリケーションの起動やマルチタスクがよりスムーズになります。さらに、PCle 4.0にも対応しており、ストレージや周辺機器とのデータ転送速度も高速化されて、システム全体のパフォーマンスが向上します。
Ryzen AI 7 350は、同世代の競合と比べてもAI処理能力がいい感じに高くなっています。特にAI技術を活用したアプリケーションに強みがあり、今後のテクノロジーの進化にも対応できる設計です。
AMD Ryzen AI 7 350は、それなりのパフォーマンス、電力効率、AI処理能力をすべて兼ね備えた非常にコスパとバランスの取れたプロセッサーです。日常的な作業からAI開発、軽めのゲームまで幅広い用途で活躍でき、まさに「なかなかな性能なのに、手軽に使える」という理想的なバランスを実現したプロセッサー。これからのデバイスに必要な要素が詰まった、使い勝手の良いチップです。
AMD Ryzen AI 7 350 はどんな作業に向いている?
AMD Ryzen AI 7 350は、様々な作業に対応可能なプロセッサですが、その性能特性から特定の用途に適しています。以下、各項目について説明します。
・マルチタスキング
Ryzen AI 7 350は、8コア/16スレッドに 最大5GHzのクロック速度を誇り、マルチタスキング性能が非常に優れています。これにより、複数のアプリケーションを同時に立ち上げて処理する作業でも、スムーズに作業を進めることができます。競合他社製品(同世代の同クラスモデル)と比べると、約30%以上のパフォーマンス向上が確認されており、高負荷の同時作業でもその力を発揮します。
・クリエイティブな作業
このプロセッサは、軽めから中程度のコンテンツ制作、動画編集、エンコード作業など、クリエイティブなタスクにもそこそこに対応します。統合型グラフィックス「Radeon 860M」が搭載されており、軽めから中程度のグラフィック処理ならいい感じにこなせるため、映像制作やデザイン作業においてもまあまあ作業がこなせます。
・オフィス作業
ビデオ会議やオフィス系のアプリケーションを使用している際にも、Ryzen AI 7 350はその高い処理能力を発揮します。また、静音性や電力効率にも優れており、長時間のオフィス作業でも快適に利用できます。効率よく作業を進められるため、日常的な業務で重宝すること間違いなしです。
・ゲーム
Ryzen AI 7 350には「Radeon 860M」グラフィックスが搭載されており、軽めのゲームには対応可能です。MOBAやインディーゲームなど、グラフィック要求が比較的低いゲームであれば十分なパフォーマンスを発揮します。しかし、AAAタイトルなどの高負荷ゲームには、低設定でのプレイを推奨します。ゲーミング向けに特化したモデルではない点を考慮する必要があります。
・ウェブブラウジング
シングルコア性能の高さにより、ウェブブラウジングやネットサーフィンも快適に行えます。特に日常的なブラウジング用途には十分な性能を提供し、複数のタブを開いての操作もスムーズです。
・ビジネスソフト/アプリケーション
ビジネス用途には適しています。特筆すべきは、XDNA 2 NPUを搭載しており、最大50TOPSのAI処理性能を持つ点です。これにより、MicrosoftのCopilot+のような先進的なAI機能をサポートし、AIを活用したビジネスアプリケーションの使用が可能です。AMD製プロセッサ対応のビジネス向けのアプリケーションやソフトウェアであれば、データベース管理、会計ソフトウェア、顧客管理システムなど、使用する場合にも高いパフォーマンスを発揮してくれると思います。一部のアプリケーションやツールでは、AIや機械学習の処理を支援することも可能です。
「AMD Ryzen AI 300シリーズ」の性能を表す数字&アルファベットの部分
ノートPC向けCPU「AMD Ryzen AI300シリーズ」アルファベッと数字が表す部分
★ Ryzen AI 9 365の場合、「Ryzen AI」の部分がシリーズの名前、
「9」の部分がシリーズの中でのグレード(クラス) 、
「3」はシリーズ、
「65」は性能とモデル特定番号を表しています。
★ Ryzen AI 9 HX 375の場合、「Ryzen AI」の部分がシリーズの名前、
「9」の部分がシリーズの中でのグレード(クラス) 、
「HX」は高いパフォーマンスを発揮するモデルである事を表す記号、
「3」はシリーズ、
「75」は性能とモデル特定番号を表しています。
AMD Ryzen AI 7 350 のベンチマーク CPU性能
#この記事の全てのベンチマークスコアは、パソコン等によって数値が違ってきます。測定には RAM も含まれるので、メモリの種類によっては、結果が大きく変わります。なので、この記事の全てのベンチマークスコアは、あくまでも目安として参考にしてみてください・・・
【PassMark】比較表
CPU | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
AMD Ryzen 7 7840HS |
3798 | 29131 |
AMD Ryzen 9 6980HX | 3421 | 25618 |
Intel Core i9-11900K | 3518 | 25583 |
AMD Ryzen AI 7 350 | 3993 | 25021 |
Intel Core Ultra 7 155H | 3564 | 24857 |
AMD Ryzen 9 PRO 6950H | 3248 | 24614 |
AMD Ryzen 7 8840HS | 3627 | 24459 |
Intel Core Ultra 5 135H | 3689 | 24406 |
【Cinebench R23】比較表(マルチスコアの高い順)
CPU | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
Intel Core i9-12900H | 1851 | 16750 |
AMD Ryzen 7 7840HS | 1769 | 16397 |
AMD Ryzen 7 8840HS | 1681 | 16045 |
Intel Core i9-10900K | 1394 | 16032 |
Intel Core i7-13620H | 1795 | 15004 |
AMD Ryzen AI 7 350 | 1933 | 14389 |
AMD Ryzen 7 7840U | 1748 | 13031 |
AMD Ryzen 7 3700X | 1280 | 12481 |
Intel Core i7-11800H | 1479 | 11938 |
AMD Ryzen AI 5 340 | 1865 | 11746 |
【Geekbench 6】比較表(マルチスコアの高い順)
CPU | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
AMD Ryzen 9 8945HS | 2614 | 13299 |
Intel Core i9-12900 | 2462 | 13007 |
Intel Core Ultra 9 185H | 2257 | 12995 |
AMD Ryzen AI 7 350 | 2831 | 12824 |
Intel Core i5-12600KF | 2472 | 11989 |
AMD Ryzen AI 5 340 | 2708 | 11570 |
AMD Ryzen 7 PRO 7840HS | 2231 | 10861 |
AMD Ryzen 7 7840U | 2415 | 10827 |
商品紹介
↗️ ASUS(エイスース) ノートPC 〈Zenbook 14 OLED UM3406KA〉 《UM3406KA-AI7325W/A》 ●仕様【有機EL 14.0型(1,920×1,200) / Ryzen AI 7 350 / メモリ:32GB / SSD:512GB / Windows 11 / 約1.2 kg / 最長約13.2時間 】
《特徴》約1.2kgの軽さ、1.49cmの薄さを実現! スリムなボディに75Whの大容量バッテリーを搭載。ディテールまで鮮やかな有機EL 14型(1,920×1,200)の16:10、ディスプレイを採用。豊かな色表現とブルーライト軽減で、長時間の作業も快適です。Wi-Fi 6Eに対応。豊富なインターフェースを搭載。
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