今回は、AMD Ryzen 5 7640HSのベンチマーク(PassMark・Cinebench・Geekbench) CPU性能や特徴などを記事にしていきたいと思います。そして、このCPUが搭載されているパソコンを紹介したいと思います。
AMD Ryzen 5 7640HSは、プロセスルールは4nmで、「Zen 4アーキテクチャ(CPU)」と「RDNA 3 アーキテクチャ(GPU) 」を採用し、Ryzen 5 7640Uよりもクロック周波数やTDPが高く設定されたモデルです。ベンチマーク(PassMark)では、デスクトップ向けCPUの「Intel Core i9-10850K」よりも高くなっています。高いパフォーマンス性だけではなく、省電性も兼ね備えたプロセッサです。
このプロセッサは、主にクリエイターノートPCやゲーミングノートPCに使われるプロセッサです。
AMD Ryzen 5 7640HS の仕様
CPU | AMD Ryzen 5 7640HS | |
---|---|---|
開発コード / アーキテクチャ | Phoenix / Zen 4 | |
コア数 / スレッド数 | 6コア / 12スレッド | |
基本クロック | 4.3GHz | |
最大ブースト・クロック | 最大5.0GHz | |
L2キャッシュ合計 | 6MB | |
L3キャッシュ合計 | 16MB | |
対応メモリ | DDR5-5600・LPDDR5x-7500 | |
最大温度 | 100℃ | |
TDP(デフォルト) | 35W~54W | |
TDP(cTDP) | 35W~54W | |
製造プロセス
|
4nm | |
AI
|
名前 | AMD Ryzen AI |
Performance
|
最大 10 TOPS | |
内蔵GPU |
名前 | AMD Radeon 760M(RDNA 3) |
GPUコア
|
8コア | |
グラフィックス周波数
|
2.60GHz |
AMD Ryzen 5 7640HS の特徴
AMD Ryzen 5 7640HSは、「Zen 4 アーキテクチャ(CPU)」 と 「RDNA 3 アーキテクチャ(GPU)」 によるノート向けプロセッサ 「Ryzen 7040HSシリーズ」に入ります。 下二桁の数字が40、末尾に「HS」が付いているので、TDP(デフォルト)が35W〜54Wとなり、主にゲームやクリエイティブ向けのノートPCに多く使われるAPUになるかと思います。コードネームは「Phoenix」です。性能が高いのに、意外と省電性もあり、かなりコスパの良い製品だと思います。
コア数 / スレッド数は、6コア / 12スレッド、基本クロック周波数は4.3GHz、最大クロック周波数は最大5.0GHzです。対応メモリは、DDR5-5600 / LPDDR5x-7500に対応しております。
AMD Ryzen 5 7640HSには、「Ryzen AI 」が搭載されています。このAI技術は、非常に革新的であり、興味深い特性を持っています。まず、ユーザーとの相互作用から学習し、その情報を元に徐々に自己を改善していく能力を有しているそうです。これにより、将来的には個々のニーズや好みに合わせたカスタマイズされたデジタルアシスタントとして活躍することが期待されます。
さらに、「XDNAアーキテクチャ」と呼ばれる革新的な構造により、通常のCPU処理の負荷を軽減しつつ、高い処理性能と電力効率を実現しています。さらに、NPU搭載のPCにはWindows 11の「Studio Effects Pack」が対応しており、AI機能を駆使してWebカメラ映像の背景ぼかしや音声のノイズ除去などを行うことができます。これにより、より洗練されたデジタル体験が提供されることが期待されます。
内蔵GPUは「AMD Radeon 760M」が採用されており、GPUコア数が8コア、グラフィックス周波数が2.6GHzとなっています。従来モデルからの性能の向上、レイトレーシング アクセラレーションの拡張、省電力化、 AI効率による単位時間当たりのデータ転送量や処理能力の向上などもしているそうです。
AMD Ryzen 5 7640HSは、日常生活で使う分には、十分な性能を持っているプロセッサです。例えばインターネットの閲覧や書類作成は、ストレス無く、サクサク快適にこなせると思います。あと、簡単な動画編集ぐらいなら、内蔵GPUで、そこそこいけると思います。ただ、グラフィックス性能を、たくさん必要とする凝った動画編集や高画質のオンラインゲームとかをする場合は、高い性能のグラフィックボードがないと厳しいかと思います。
#(グラフィックボードは種類によって性能が違い、できる内容も変わっていきます)
AMD製 APU(CPU)が搭載されているノート型パソコンは、同性能のIntel製 CPUが搭載されているノート型パソコンと比較した場合、比較的値段が安くコスパが良いのでお得感があります。
AMD Ryzen 5 7640HS はどんな作業に向いている?
AMD Ryzen 5 7640HS は、以下のような用途に向いています。
・マルチタスキング
AMD Ryzen 5 7640HSは、複数のアプリケーションやプログラムを同時に実行する場合でも、スムーズな動作を実現します。例えば、複数のウェブブラウザータブを開いたり、多目的作業など、同時に使用する場合でも、高いパフォーマンスを発揮します。
・クリエイティブな作業
「Zen 4アーキテクチャ」を採用し、6コア/12スレッド、最大5.0GHzのブーストクロックと、内蔵GPU「Radeon 760M」を採用し、グラフィック周波数が2600MHzとなっています。そんなに重くないデータの写真編集、画像編集、グラフィックデザイン、動画編集、音楽制作などのクリエイティブな作業は、そこそこの性能を発揮すると思います。比較的データの大きい動画編集や3Dグラフィックデザインなどをする場合は、高いグラフィックス性能を必要とするので、けっこうキツイと思います。ただし、性能の高いグラフィックボードが搭載されていれば、けっこういけると思います。
・オフィス作業
文書作成、スプレッドシートの編集、プレゼンテーションの作成など、オフィス作業は快適にこなせます。6コア/12スレッドのCPUコアと16MBのL3キャッシュにより、マルチタスクや複数のアプリを同時に使用する事などができるので、より快適な動作環境を提供し、作業効率を高めてくれると思います。
・ゲーム
ゲームやオンラインゲームなどをプレイするには、解像度やフレームレートなどの品質を落とせば、けっこういける性能だと思います。ただし、最新の高負荷ゲームやVRゲームには、ちょっと不向きかもしれませんが、性能の高いグラフィックボードが搭載されていれば、けっこういけると思います。
・ウェブブラウジング
インターネット上での検索、ウェブサイトの閲覧、オンライン動画の視聴など、ウェブブラウジングにも適しています。複数のタブを同時に開いても、快適なブラウジングができると思います。
・ビジネスソフト/アプリケーション
AMD製プロセッサ対応のビジネス向けのアプリケーションやソフトウェアであれば、データベース管理、会計ソフトウェア、顧客管理システムなど、使用する場合にも高いパフォーマンスを発揮してくれると思います。
AMD Ryzenシリーズの性能を表す数字&アルファベットの部分
ノートPC向けCPU「 Ryzen 7000シリーズ」下二桁の数字が表す部分
下二桁の数字の部分(コード名) | アルファベットの部分 | アーキテクチャ | プロセス | TDP |
---|---|---|---|---|
○○45 (Dragon Range) | HXシリーズ | Zen4 | 5nm | 55W~75W |
○○40 (Phoenix) | HSシリーズ / Uシリーズ | Zen4 | 4nm | 35W~54W / 15W~30W |
○○35 (Rembrandt-R) | HSシリーズ / Uシリーズ | Zen3+ | 6nm | 35W~54W / 15W~30W |
○○30 (Barcelo-R) | Uシリーズ | Zen3 | 7nm | 15W |
○○20 (Mendocino) | Uシリーズ | Zen2 | 6nm | 15W |
ノートPC向けCPU「 Ryzen 7000シリーズ」階級の説明
下二桁の数字の部分(コード名) | アルファベットの部分 | 階級の説明 |
---|---|---|
○○45 (Dragon Range) | HXシリーズ | TDP55W、デスクトップ向けのCPU(APU)をノート向けPC用に流用したモデルで、ハイスペック ゲーミング ノートPC向けのCPUとなっております。パワー重視のハイパフォーマンスモデルです。 |
○○40 (Phoenix) | HSシリーズ / Uシリーズ | ゲーミング ノートPC向けのCPUで、「Zen4 アーキテクチャ」を採用し、高いパフォーマンスと効率性を可能とした高性能モデルです。 |
○○35 (Rembrandt-R) | HSシリーズ / Uシリーズ | 高性能 ノートPC向けのCPUで、「Zen3+ アーキテクチャ」を採用しており、末尾数字が「40」よりも価格を抑えたモデルとなっています。 |
○○30 (Barcelo-R) | Uシリーズ | ノートPC向けのCPU(APU)で、省電力性と処理性能のバランスを考えたモデルです。 |
○○20 (Mendocino) | Uシリーズ | シリーズの中では、最下位の性能です。必要最低限といった感じで、性能よりも価格重視のモデルです。 |
AMD Ryzen 5 7640HS のベンチマーク CPU性能
#この記事の全てのベンチマークスコアは、パソコン等によって数値が違ってきます。測定には RAM も含まれるので、メモリの種類によっては、結果が大きく変わります。なので、この記事の全てのベンチマークスコアは、あくまでも目安として参考にしてみてください・・・
【PassMark】比較表(マルチスコアの高い順)
CPU | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
Intel Core Ultra 7 155H | 3564 | 24857 |
AMD Ryzen 9 PRO 6950H | 3248 | 24614 |
Intel Core Ultra 5 135H | 3689 | 24406 |
AMD Ryzen 7 7735HS | 3353 | 24083 |
Intel Core i5-13500H | 3608 | 24019 |
AMD Ryzen 5 7640HS | 3631 | 23154 |
AMD Ryzen 7 3800X | 2697 | 23082 |
Intel Core i9-10850K | 3073 | 22276 |
AMD Ryzen 5 7640U | 3554 | 21504 |
AMD Ryzen 7 7735U | 3280 | 21127 |
Intel Core i9- 10900F | 3045 | 21004 |
【Cinebench R23 】比較表(マルチスコアの高い順)
CPU | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
AMD Ryzen 9 6900HX | 1641 | 14526 |
Intel Core i9-10900X | 1143 | 14339 |
Intel Core i9-9900KS | 1346 | 13429 |
AMD Ryzen 5 7640HS | 1693 | 12827 |
AMD Ryzen 7 3700X | 1280 | 12481 |
Intel Core i7-11800H | 1479 | 11938 |
AMD Ryzen 7 7735U |
1507 | 11615 |
AMD Ryzen 5 7640U | 1684 | 10962 |
【Geekbench 6】比較表(マルチスコアの高い順)
CPU | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
Intel Core i5-12600KF | 2472 | 11989 |
AMD Ryzen 7 PRO 7840HS | 2231 | 10861 |
Intel Core Ultra 5 135H | 2320 | 10708 |
AMD Ryzen 5 7640HS | 2403 | 10199 |
Intel Core Ultra 5 125H | 2249 | 10174 |
Intel Core i5-12600 | 2378 | 9952 |
AMD Ryzen 5 7640U | 2280 | 9118 |
商品紹介
↗️ HP(ヒューレット・パッカード) ゲーミングノートPC 〈OMEN 16〉 ブラック 《88U20PA-AAAA》 ●仕様【16.1型(1920×1080) 165Hz / Ryzen 5 7640HS / NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop / メモリ:16GB / SSD:512GB / Windows 11 / 約2.44kg 】
《特徴》NVIDIA Geforce RTX40シリーズ搭載ゲーミングノートPC! 16.1型FHD(1920×1080)、リフレッシュレート165Hzディスプレイ採用。ちらつきや残像を抑えた滑らかでスムーズなゲーム体験を実現。冷却システム「OMEN Tempestクーリングテクノロジー」を採用。B&OPLAYサウンドシステム搭載。NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop 搭載モデルです。
CPUの種類に関係なく、今、販売されている全ての「ノート型パソコン」の中で、どの機種が一番売れているのか気になりませんか??? 気になる方は、下の欄からどうぞ・・・