2025年10月、Appleが世に送り出した次世代のAppleシリコン、M5チップは、
前世代のM4の卓越したパフォーマンスをさらに凌駕し、 computing の限界を押し広げました。
この新チップの登場は、単なるスペックの更新に留まらず、
私たちのデジタル世界に対する根本的なアプローチを塗り替える一歩となるでしょう。
Appleは、再びこの革新的な技術によって、ユーザー体験のパラダイムシフトを実現したと言えます。
今回の記事は、CPU・GPU ベンチマーク性能(Geekbench)、気になる仕様や特徴、M4チップとの比較、
そして、M5チップがどんな変化(恩恵)をもたらすのか、今回はその魅力に迫っていきたいと思います。
出典 Appleホームページ
M5チップの仕様
旧型の「Apple M4チップ・M3チップ」と進化した「Apple M5チップ」の仕様の比較をしてみました。
| チップ(SoC) | M5 | M4 | M3 |
|---|---|---|---|
| プロセスルール | 3nm(第3世代) | 3nm(第2世代) | 3nm |
| CPU(コア数) |
9コア (高性能3コア＋高効率6コア) 10コア (高性能4コア＋高効率6コア)
|
8コア (高性能4コア＋高効率4コア) 9コア (高性能3コア＋高効率6コア) 10コア (高性能4コア＋高効率6コア) |
8コア (高性能4コア＋高効率4コア) |
| CPU : 最大クロック周波数 |
高性能コア : 最大約4.61GHz 高効率コア : 最大約3.00GHz |
高性能コア : 最大約4.41GHz 高効率コア : 最大約2.85GHz |
高性能コア : 最大約4.06GHz 高効率コア : 最大約3.5GHz |
| GPU(コア数) | 10コア | 8コア または 10コア | 8コア または 10コア |
| GPU : クロック周波数 | 0.34GHz(最大1.90GHz) | 0.39GHz(最大1.68GHz) | 0.39GHz(最大1.4GHz) |
| トランジスタ数 | 約？億個 | 約280億個 | 約250億個 |
| Neural Engine(演算能力/秒) | 16コア(75兆回/秒) | 16コア(38兆回/秒) | 16コア(18兆回/秒) |
| メディアエンジン | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
| メモリ帯域幅 | 153GB/s | 120GB/s | 110GB/s |
| メモリ | 12GB/16GB/24GB/32GB | 8GB/16GB/24GB/32GB | 8GB/16GB/24GB |
| メモリ種類 | LPDDR5X-9600 | LPDDR5X-7500 | LPDDR5-6400 |
M5チップ（ベースモデル）の主な特徴
出典 Appleホームページ
ベースモデルでありながら、M5チップは従来の常識を覆すパワフルなスペックと、
次世代の技術を搭載しています。
先進のCPU構成
9コアCPUを搭載モデル（3つの高性能コアと6つの高効率コア）と
10コアCPUを搭載モデル（4つの高性能コアと6つの高効率コア）が、今のところあります。
前世代（M4）と比較して、マルチスレッド性能が最大15%高速化しており、
重いマルチタスク環境でもシームレスな操作を可能にします。
革新的なGPUアーキテクチャ
10コアGPUを採用し、次世代のグラフィックスアーキテクチャを導入。
ハードウェアアクセラレーテッド・レイトレーシング機能を搭載し、
3Dレンダリングやゲームにおけるリアルな光の表現を劇的に高速化します。
グラフィックス性能全体では、M4と比較して最大30%、
レイトレーシング対応アプリケーションでは最大45%もの大幅な性能向上を実現しています。
飛躍的なAI性能の向上（Neural Engine）
改良された16コアNeural Engineを搭載。
GPUコアにも専用のニューラルアクセラレーターを統合した「デュアルAIエンジン」構造により、
AI処理性能が爆発的に向上しています。
M4と比較して、AIピーク演算性能が4倍以上に達し、
Apple IntelligenceをはじめとするオンデバイスAI機能をより高速かつ効率的に実行します。
広帯域なユニファイドメモリ
メモリ帯域幅は153GB/sに向上し、M4から約30%の増加を実現。
CPU、GPU、Neural Engineが単一のメモリプールに高速アクセスできる
ユニファイドメモリアーキテクチャにより、
大容量のAIモデル実行や、「Adobe Photoshop」、「Final Cut Pro」などの
負荷の高いプロ向けクリエイティブスイートの同時実行を余裕で支えます。
ベースモデルでも最大32GBまでのメモリをサポートします。
独自の視点 / M5がもたらす変化(恩恵)
出典 Appleホームページ
M5チップの真価は、単なる処理速度の向上に留まりません。
その革新的なアーキテクチャは、「パーソナルAI革命」を
一般ユーザーの手に届けることを使命としています。
1. デバイス完結型の超高速AI処理
M5は、16コアNeural EngineとGPU内のニューラルアクセラレーターという
強力なコンビネーションにより、AI処理能力を極限まで高めました。
これにより、大規模言語モデル（LLM）を含む高度なAI機能を、
クラウドを介さずデバイス上で瞬時に実行できます。
《ユーザーへの恩恵》
応答速度の向上、プライバシー保護、ネットワーク環境に依存しない安定したAI体験。
例えば、写真や動画の複雑なAI編集、リアルタイムの翻訳、高度なコンテンツ生成などが、
待たされることなく実行されます。
2. GPUとAIの境界線が溶解
レイトレーシングの強化やグラフィックス性能の大幅な向上は、
ゲームや3Dクリエイティブ分野で目覚ましい進化をもたらします。
しかし、注目すべきは、GPU自体がAIの加速器として機能する設計です。
《クリエイターへの恩恵》
3Dレンダリングの高速化だけでなく、
AIを活用したテクスチャ生成やノイズ除去、
モーショングラフィックスの自動化といった作業が、
GPUの強力なAIパワーで飛躍的に効率化されます。
これにより、アイデアを形にするまでの時間が劇的に短縮され、
クリエイティブのワークフロー全体が「AI駆動型」へと進化します。
3. 高い電力効率と「バッテリーが長持ち」
3ナノメートルプロセスで製造されたM5チップは、高い電力効率を維持しています。
高性能でありながら消費電力を抑えるこの特性は、
モバイルデバイスであるMacBook ProやiPad Proにおいて、
「長時間バッテリー駆動」を実現する核となります。
《モバイルユーザーへの恩恵》
負荷の高いプロレベルの作業を、電源アダプタなしで長時間実行できる自由度が手に入ります。
これは、屋外や移動中に作業を行うプロフェッショナルにとって、
最も重要な「信頼性」を提供してくれます。
M5チップ(ベースモデル)のベンチマーク
# その時の本体の状態によって、ベンチマークの数値は、毎回変わってきます。なので、この記事の全てのベンチマークスコアは、あくまでも目安として参考にしてください・・・
Geekbench 6
🟡 CPUスコア 前期モデルとのベンチマーク比較《 Geekbench 6 》
| 種類 | シングルスコア | マルチスコア |
|---|---|---|
| M5チップ搭載 MacBook Pro (CPU:10コア) | 4271 | 17816 |
| M5チップ搭載 iPad Pro (CPU:10コア) | 4145 | 16598 |
| M5チップ搭載 iPad Pro (CPU:9コア) | 4138 | 15501 |
| M4チップ搭載 MacBook Pro (CPU:10コア) | 3835 | 14853 |
| M4チップ搭載 MacBook Air (CPU:10コア) | 3828 | 14820 |
| M4チップ搭載 iPad Pro (CPU:9コア) | 3831 | 13346 |
| M4チップ搭載 iMac(CPU:8コア) | 3824 | 13609 |
| M3チップ搭載MacBook Pro | 3038 | 11692 |
| M2チップ搭載MacBook Pro | 2603 | 9825 |
| M1チップ搭載MacBook Pro | 2372 | 8411 |
🟡 他社CPUとのベンチマーク比較《 Geekbench 6 》
| CPU | シングルスコア | マルチスコア |
|---|---|---|
| AMD Ryzen 9 7900X | 2948 | 18603 |
| Intel Core i9-14900HX | 3021 | 18398 |
| Intel Core i9-13900F | 2729 | 17811 |
| M5チップ搭載 MacBook Pro (CPU:10コア) | 4271 | 17816 |
| M5チップ搭載 iPad Pro (CPU:10コア) | 4145 | 16598 |
| AMD EPYC 7443P | 1769 | 16372 |
| Intel Core i9-12900KS | 2638 | 15931 |
| M5チップ搭載 iPad Pro (CPU:9コア) | 4138 | 15501 |
| Intel Core i7-14650HX | 2635 | 15011 |
| M4チップ搭載 Mac Book Pro (CPU:10コア) | 3835 | 14853 |
| M4チップ搭載 MacBook Air (CPU:10コア) | 3828 | 14820 |
| M4チップ搭載 iMac(CPU:8コア) | 3824 | 13609 |
| M4チップ搭載 iPad Pro (CPU:9コア) | 3831 | 13346 |
| AMD Ryzen 7 7745HX | 2678 | 13201 |
| AMD EPYC 7413 | 1546 | 12834 |
| Intel Core i5-12600KF | 2470 | 12162 |
| AMD Ryzen 9 7940HS | 2495 | 11837 |
🟡 GPUスコア 《 Geekbench 6 》
| 種類(SoC) | GPUスコア(メタルスコア) |
|---|---|
| Apple M5チップ 10コアGPU(MacBook Pro) | 77215 |
| Apple M5チップ 10コアGPU(iPad Pro) | 74834 |
| Apple M4チップ 10コアGPU(MacBook Pro) | 57502 |
| Apple M4チップ 10コアGPU(iPad Pro) | 55269 |
| Apple M4チップ 10コアGPU(MacBook Air) | 55148 |
| Apple M4チップ 8コアGPU(MacBook Air) | 48413 |
| Apple M4チップ 8コアGPU(iMac) | 47597 |
| Apple M3チップ 10コアGPU(MacBook Pro) | 47381 |
| Apple M3チップ 8コアGPU(iMac) | 41019 |
| Apple M2チップ 10コアGPU(MacBook Pro) | 45367 |
| Apple M2チップ 8コアGPU(MacBook Air) | 40135 |
| Apple M1チップ 8コアGPU(MacBook Pro) | 31861 |
| Apple M1チップ 7コアGPU(MacBook Air) | 29374 |
🟡 AIスコア 《 Geekbench AI (CoreML ニューラルエンジン)》
| 種類(SoC) | Single Precision | Half Precision | Quantized |
|---|---|---|---|
| Apple M5チップ(10コアCPU/10コアGPU) | 5341 | 41385 | 58290 |
| Apple M4チップ(10コアCPU/10コアGPU) | 5768 | 37531 | 50803 |
| Apple M3チップ(8コアCPU/10コアGPU) | 4158 | 32817 | 37029 |
| Apple M2チップ(8コアCPU/10コアGPU) | 3486 | 28213 | 31517 |
| Apple M1チップ(8コアCPU/8コアGPU) | 3234 | 16447 | 16160 |
最後に・・・
Apple M5チップは「AI時代の標準チップ」である・・・
Apple M5チップ(ベースモデル)は、パフォーマンス、グラフィックス、
そしてAI処理能力のすべてにおいて、前世代を大きく引き離す飛躍を遂げました。
特に、オンデバイスAIを強力に推進するアーキテクチャは、
今後数年間のコンピューティングのあり方を決定づける
「AI時代の標準チップ」としての地位を確立するでしょう。
商品紹介
《 MacBook Pro 》
《 iPad Pro（11インチ）》
《 iPad Pro（13インチ）》
